夫婦であったり長く付き合ったカップルのセックスは、マンネリ化してセックス自体がルーティンになりがちです。

出会ったばかりのころはあれだけ興奮したセックスが日課となってしまったとしても、生物学的には子孫繁栄のための重要な行為なのです。

長年異性と同居をしたことがある人なら誰もが体験する倦怠期と呼ばれる期間ですが、実は男女に微妙な違いがあるのです。

人間は平均して死ぬまでに2000回から3000回セックスしているとされ、たいていの場合7人以下の子供しかいません。

大雑把に割り算をすると、1人の子供をつくるために500回セックスをしていることになりますが、この回数のうちの多くは子孫を作るためにセックスをしているわけではありません。

人間だけが子孫繁栄のためだけではないセックスをしているかというとそうではなく、一人の子供をつくるためにしているセックスの回数で他の霊長類と比較すると人間の回数は平均です。

霊長類以外ではライオンは1頭の子供を作るために3000回交尾をするとされ、鳥の中には数回の交尾で妊娠するものもいれば、妊娠するまでに数百回交尾する鳥もいます。

人間や動物は子孫繁栄につながらないセックスを何故こんなに多くするのか?日課となったセックスに何か意味があるのか?疑問がわいてきます。

出会った頃はお互いの裸をみたり触れたりしただけで興奮していたが、回数を重ねる度に興奮も薄れていきますが、毎週か毎月同じようなセックスを繰り返します。

男性も女性も体には、理由があろうがなかろうが遺伝子により一定の間隔でセックスするようにプログラムされているからなのです。

なぜならこの日課となったセックスには、その男女が将来得るであろう子孫の数や質がかかっているからなのです。

つまり、約500回に一回の割合で起きる妊娠をルーティンセックスがその子孫の質と数を決めるのです。

このルーティンセックスの生物学的観点からみた男性側のメリットはパートナーの体内に一定の数の精子をとどめておくことで、女性側のメリットは妊娠のために良い射精時期を男性に知らせないことにあります。

チンパンジーなどの霊長類のメスは毎月妊娠しやすい時期になると肛門や外陰が大きく赤く腫れあがりオスを誘います。

オスはこれを見ると興奮し、妊娠しやすくなったメスと交尾しようとすることから、1匹のメスをめぐって数匹のオスが争います。

この時期のオスはエサを我慢してでもメスが他のオスと交尾しないように努力をしメスを見張ります。

逆に人間のように一夫一婦制をとる霊長類では、メスは妊娠しやすい時期を伝えるよりも隠します。

メスが妊娠しやすい時期をオスに隠すことで、オスは自分が生きるために睡眠やエサを探さなければいけないので24時間メスを見張れなくなることから、メスはいつ誰と妊娠するかをコントロールできるようになるからです。

つまり、メスは自分の望むオスを求めて、パートナーの目を盗み浮気をできることを意味します。

女性の体はタイミングが合えば確実に妊娠するために準備をしていきますが、一方で男性に対しては妊娠に最適な時期を悟られないようにしています。

精子は女性の膣内に射精されてから5日間しか生きていることができず、精子が受精できる状態に達するまでは2日間女性の体内にいる必要があるとされます。

卵子は女性が月に1回それぞれの月経周期で1個の卵子を排出しますが、排出されてから1日で死んでしまいます。

そのため、妊娠するためには排卵の5日前から排卵後12時間までの間に少なくとも1回は射精しなければならず、更に確立を上げるためには排卵日の2日前に射精してなくてはなりません。

この排卵5日前から排卵後12時間という妊娠しやすい時期の前後が1日から2日ずれるだけで妊娠の確立は劇的に減少します。

男性がパートナーの生理がいつ始まったのかを記録すれば次の排卵日を特定でき妊娠しやすくなりそうですが、女性の排卵が規則正しいことは稀で女性の生理のサイクルは容易に変わります。

月経周期の長さと月経周期の始まりから次の月経周期までの長さは個人差があり14日から42日の間で変化します。

この周期の変化の幅は、人によって異なるだけでなく一人の女性によっても異なり、更に妊娠にとって重要な月経の開始から排卵日までの日数は最も変わりやすいとされます。

つまり、前月の月経開始の日から数えただけでは一番妊娠しやすい時期はわからないのです。

また、女性が妊娠しやすい時だけセックスをしたくなると妊娠しやすい時期がわかってしまうため、無意識のうちに気分や態度をころころ変化させるようになっています。

このように女性は外側からでは、男性は妊娠に最適な時期を知ることができず、男性の妊娠戦略の一つとして女性の体に一定数の精子を保つことが最適解となるのです。

このようなわけでルーティンセックスは男性にとっても女性にとっても意味のある事なのです。

男性が同じ女性と2~3日に1回セックスをしておけば女性の体内には常に妊娠に十分な精子が存在することとなり、卵子に受精する可能性はどの月でも3分の1になります。

そして生理の出血が始まれば今月は妊娠に成功しなかったことを意味します。

更に女性は妊娠しやすい排卵前の2週間より、排卵後の2週間の方が性的欲求が高まることが知られており、これは女性の気分が移り気にセックスを求めることと同様に妊娠しやすい時期を隠す本能的な戦略なのです。